|
大雨、落雷、大雪、そしてどこでも起こり得る震度5以上の大地震。児童を保護者に確実に引き渡すまでに限られた教職員でやらなければならないことは多い。教職員が機能的・有機的に連携しなくては、命を預かることは難しい。文部科学省委託令和7年度学校安全総合支援事業「学校安全実践力向上セミナー」での講義「学校における防災対策セミナー」慶応義塾大学大木聖子氏の講演をもとに、自校の地震対応の「危機管理マニュアル」を見直してみた。
1 過去の震災で起きたこと・起こらなかったことから
余震が何度もきた。悲鳴や嗚咽で指示が通らなかった。停電になった。机の下には潜れたが腰が抜けた。立っていられず歩けなかった。避難経路がガラス等でふさがりグラウンドや外へ行けなかった。一方、耐震工事のされた校舎は倒壊しなかった。ただし、校舎の継ぎ目は破損した。
2 外の避難所へ行かず、教室待機も選択肢へ
発災時に学級内でどのようなことが起こりそうか、児童の顔を浮かべて想像してみた。泣き叫ぶ児童、家に帰ろうとする児童、過呼吸やパニックになる児童。一人一人の行動や特性、過去の震災での出来事からすると、これまでの避難訓練のように平然と移動することに無理があることが分かった。外への避難以外に、耐震性のある教室での待機も選択肢に加えた方がよいと考える。
3 学級運営で発災リスクを乗り切れるように
一人が泣きだすと、つられて多くが泣き出すことも想定される。すると学級担任はそのような児童の対応で身動きが取れなくなる。「おはしも」の約束はあるが、児童同士でなだめることも必要となる。また、多くの負傷者が出た場合、本部へのけが人報告順位が発生し、順位が遅い負傷者の応急手当とともに看護観察を学級で担うことにもなる。教室の空間確保や応急手当、簡単な連絡伝達など、児童が率先して動けるような指導と訓練も必要である。
4 教職員の情報伝達の方法と優先内容を明らかに
教室待機となると、本部との意思疎通はどうするのか。しかも、停電のため放送や内線電話は使えない場合、情報伝達の方法と内容、職員の役割を決めておく必要がある。そもそも本部はどこに置くとよいのか。また、本部への伝達内容の優先順位を決めておくことも必要だ。情報伝達等で学級担任が教室にいなくなる場合もある。
児童の実態や学校環境、地域ハザードなどを想定した実践的な「危機管理対応マニュアル」づくりに終わりはない。
|