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提言
読み書きに困難さを抱えた子どもの早期発見と早期支援
新潟・鏡淵小学校

 読み書きに困難さを抱えた子どもは、予想以上に多いと言われている。通級指導教室に通う子どもの中には、指導の過程で読み書きの困難さが発覚したためフォローした事例がかなりある。読み書きの困難さは、行動面に比べると周囲から気付かれることは少ない。気付かれても、いずれできるようになるだろうと思われたり、個別指導の時間が確保できなかったりという理由で支援されないまま学年が上がっていくことが多い。学年が上がるにつれ、読み書きを必要とする文字は増え、学習内容は難しくなる。理解できない内容が増えることで、自己肯定感の低下や意欲の減退につながり、二次障害に発展することさえある。
 つまずきが深刻化する前に早期発見と早期支援が大切である。支援の一つとして、この紙面では多層指導モデルMIM(ミム)について触れる。

 多層指導モデルMIM(Multilayer Instruction Model)は、国立特別支援教育総合研究所 海津亜希子氏が開発したものである。特に読むことに焦点を当てており、特殊音節の読みの指導と評価がセットになっている。基本的に小学一・二年生にかけて行い、読み書きの弱さをもった子どもの早期発見と早期支援を目的としている。MIMは、三つのステージから構成されている。多層指導という名称はこの構成に由来する。各学級を単位に行い、第一ステージでは学級全体に、第二ステージでは第一ステージで伸びが乏しい子どもに、第三ステージではそれでも伸びが乏しい子どもを対象に個に特化した指導を行う。
 子どもにとって特殊音節の習得は非常に難しいと言われている。MIMの特殊音節の指導は、視覚化と動作化の二つの面から構成されている。特に動作化には子どもが自身の特殊音節の習得を確認することができるよさがある。
 当校では次のように取り組んでいる。
 ①五月下旬から一年生全員を対象に行う(第一ステージ)。②国語授業の進度に合わせて学級担任と特別支援教育担当が協働で行う。③伸びの見られない子どもに対する個に特化した指導・支援は、保護者の同意を得て、校内体制を整えて進める(第二・三ステージ)。④二年生以上でも必要に応じて引き続き特化した指導・支援を行う。
 MIMに取り組み今年で七年目を迎えている。校内体制を整えたことで取組は定着しつつある。ここ数年は苦手意識を徐々に克服し、自信を付けている子どもが多い。保護者から感謝の言葉も届くようになった。

 読み書きは国語だけでなく、すべての学習の基礎になる。つまずく恐れのある子どもの早期発見と早期支援を進めることは、子どもの学習意欲の向上にもつながる。
 より効果を得るために大切なことは、学校として組織的に取り組むことである。

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